消えない傷25話
その日は9月の初め頃だった。
教室の窓は全て開放されて、そこから
優しい日差しが教室に差し込む。
開放された壁一面の窓からは、
北海道らしい乾いた風がそっと入って
取り付けられた長く真白いカーテンを
揺らしていた。静かな教室。
「・・・じゃあ、続きを読んで下さい。鈴木くん」
教壇に立っている中年女性が言う。
しかし反応がない。もう一度、
先程よりも大きな声で呼んだ。
「鈴木くん!聞こえていますか?」
すると背の低く、丸々と太った少年が
勢いよく立ち上がって
「は、はい!!」
と答えた。教室内にドッっと笑いが起こる。
少年は気まずそうに顔を赤くした。
中年女性は長い教員生活で
こんな光景を何度も見てきたので
怒りも笑いも起きず、無感動だったが
少年が立ち上がったときの勢いで
大きな胸が上下に激しく揺れた事と、
その胸が自分の胸と比べても
ずっと大きいという事は少し滑稽に感じた。
「おはよう鈴木くん、では続きを読んで下さい。」
そう言われた鈴木駿は太い腕で教科書を
めくって「続き」を探したが眠っていて
わかるはずも無く、親切な近くの席の
クラスメイトが教えてくれるまで
戸惑うことになった。
その日の昼休みに友人の酒井が
駿のもとへやってきて言う。
「珍しいな、お前が居眠りなんて。」
「う、うん、なんか昨日、寝れなくて」
「そうか、悩み事とかか?」
「そんなものないよ、大丈夫。ありがと。」
駿は軽く答えて、笑顔を見せた。
しかし最近、一人になると自分の変化に
ついて考えてしまう事が多くなっていて
なかなか寝つけない日も多い。
銭湯で体育教師である小林に身体を
触れられて心ならずも興奮して勃起し、
そんな性器を小林に見られてしまった。
スーパーでは知らない大人に悪戯されて
恐らく、射精してしまった。
そして最近は朝起きると股間が
硬くなっていることがある。
今まではこんなことが無かったのに。
少ない性知識と、急な経験と、とても
ピュアな性格が駿を混乱させる。
その時、駿が酒井の首筋に赤いアザの
ようなものを見つけ、何か尋ねたが、
酒井は少し慌てて、
「これは柔道の時に擦り剥いたんだ」
と言った。駿は素直に信じた様子で
酒井は安心した。村田に吸われたとは
純粋な駿にはとても言えない。
酒井は話題を変えるように言った。
「そういえば、新しい先生が来るってさ。たしか次の授業じゃないかな。」
「そうなんだ。良い人だといいね。」
「そうだな。」
昼休みがもうすぐ終わる。
↓ ポチっとして押して、開いてくる窓を閉じる。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。
教室の窓は全て開放されて、そこから
優しい日差しが教室に差し込む。
開放された壁一面の窓からは、
北海道らしい乾いた風がそっと入って
取り付けられた長く真白いカーテンを
揺らしていた。静かな教室。
「・・・じゃあ、続きを読んで下さい。鈴木くん」
教壇に立っている中年女性が言う。
しかし反応がない。もう一度、
先程よりも大きな声で呼んだ。
「鈴木くん!聞こえていますか?」
すると背の低く、丸々と太った少年が
勢いよく立ち上がって
「は、はい!!」
と答えた。教室内にドッっと笑いが起こる。
少年は気まずそうに顔を赤くした。
中年女性は長い教員生活で
こんな光景を何度も見てきたので
怒りも笑いも起きず、無感動だったが
少年が立ち上がったときの勢いで
大きな胸が上下に激しく揺れた事と、
その胸が自分の胸と比べても
ずっと大きいという事は少し滑稽に感じた。
「おはよう鈴木くん、では続きを読んで下さい。」
そう言われた鈴木駿は太い腕で教科書を
めくって「続き」を探したが眠っていて
わかるはずも無く、親切な近くの席の
クラスメイトが教えてくれるまで
戸惑うことになった。
その日の昼休みに友人の酒井が
駿のもとへやってきて言う。
「珍しいな、お前が居眠りなんて。」
「う、うん、なんか昨日、寝れなくて」
「そうか、悩み事とかか?」
「そんなものないよ、大丈夫。ありがと。」
駿は軽く答えて、笑顔を見せた。
しかし最近、一人になると自分の変化に
ついて考えてしまう事が多くなっていて
なかなか寝つけない日も多い。
銭湯で体育教師である小林に身体を
触れられて心ならずも興奮して勃起し、
そんな性器を小林に見られてしまった。
スーパーでは知らない大人に悪戯されて
恐らく、射精してしまった。
そして最近は朝起きると股間が
硬くなっていることがある。
今まではこんなことが無かったのに。
少ない性知識と、急な経験と、とても
ピュアな性格が駿を混乱させる。
その時、駿が酒井の首筋に赤いアザの
ようなものを見つけ、何か尋ねたが、
酒井は少し慌てて、
「これは柔道の時に擦り剥いたんだ」
と言った。駿は素直に信じた様子で
酒井は安心した。村田に吸われたとは
純粋な駿にはとても言えない。
酒井は話題を変えるように言った。
「そういえば、新しい先生が来るってさ。たしか次の授業じゃないかな。」
「そうなんだ。良い人だといいね。」
「そうだな。」
昼休みがもうすぐ終わる。
↓ ポチっとして押して、開いてくる窓を閉じる。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。