肉月~ニクツキ43
体育準備室の奥に収納されている
大きなテント。屋外での行事の際に
利用されるそれは、埃をかぶって
汚れていた。
今日、体育祭の委員が行う放課後の仕事は、
このテントを拭いておく、とういうもの。
体育準備室には二人。青野啓と田中悠だ。
相田宗助は今日もBGMの為に
放送室にいる。
二人は談笑しながら水の入ったバケツと
雑巾で、テントを拭いていく。
話題はとりとめもないことばかり。
授業や教師について、好きな音楽について。
だが、二人で話していると時間が
あっという間に過ぎていく。
悠の性格は控え目でおっとりしている。
そのせいもあってか、友人は多くはない。
悠には青野がずっと昔からの友人のように
思えていた。
「青野君は、もうこの学校にもずいぶん
慣れてきたんじゃない?」
悠が何気なく聞き、青野が答える。
「うーん、さすがにまだ1週間ほどだから。
でも転校は慣れてるし……。
あとはきっと……君のおかげだよ。」
青野の言葉に悠は自分の頬が
熱くなるのを感じた。
だが、どう答えていいか解らず、
ただ小さな笑みを作ることが精一杯。
そこで、小さな疑問が起こる。
バケツの上で雑巾をしぼりながら
何気なく質問する悠。
「転校に慣れてるって…
青野くんの家は転勤とかが多いの?」
……青野の笑顔が曇る。
それは、ほんの一瞬。
悠にその事を気づかれることもなく、
違和感を与えることもない。
すぐにいつもの笑顔に戻る。
丸くて白いもち肌が醸し出す、
優しそうな雰囲気と、
黒縁メガネの知的な印象。
いつもの青野だ。そして言う。
「家族は……そう、転勤族なんだよ。
だから僕は‥‥、
君と仲良くなりたいんだ。田中君。」
悠は自分の心臓がドクンと強く動いたのを
感じながら、青野のストレートな言葉に
戸惑いながら丸い頬を赤く染め、
照れ笑いを浮かべる。
「な、なんか‥‥は、恥ずかしいよ。」
笑いながら言う悠。だが。
青野の白くて太い腕が悠に伸び、
悠の丸い手を握ったのだ。
「‥‥えっ。」
青野の突然すぎる行動に困惑する悠。
青野は、悠の手を優しく握りながら
じっと悠を見つめている。
誰も人が来ることはないであろう
体育倉庫で二人。
「……」
手を重ねながら少しの沈黙。
お互いの手の感触と温度を感じながら、
見つめ合う二人。
最初に沈黙を破ったのは悠だった。
「だ‥‥、ダメ……いけないよ。」
悠にとって青野はとても魅力だった。
豊満で白い身体。知的で優しそうな顔。
だが…、自分には宗助という、
心に決めた相手がいるのだ。
「青野君……だめだよ。僕達は男同士だし…。」
その言葉に、青野は
握っていた悠の手をそっと放す。
【わかってくれた……?】
悠がそう思った直後。
青野は太い両腕を広げて、
その豊満な身体で悠を抱きしめたのだ。
「あっ…」
突然のことに息を洩らす悠。
青野は悠の丸い身体を強く抱きながら
悠の耳元でささやく。
「でも…僕には君が必要なんだ。」
抱きしめられながら、戸惑う悠。
お互いの鼓動が高鳴っているのを
抱きしめあい、感じていた。
「あぁぁ……こんな‥‥だ…だめだよぉ……こんな事をぉ」
それでも抵抗している悠。
だが、悠にとって青野は、
かなり理想的な身体をしている。
肉つきの良い頬は白くてキレイだ。
その頬から玉のような汗が
キラリと垂れて、丸い顎から、
太くて短い首に落ちていった。
「……」
青野が悠を抱きながら再び沈黙する二人。
抱き合っていると、悠の鼻を青野の汗の匂いがつく。
それすら思考が麻痺しつつある悠にとっては、
かぐわしいと感じてしまう。
「……」
お互いのムチムチとした豊満な身体の感触を
感じながら、それでも悠は必死で抵抗し、
丸い身体をよじって、青野から逃れようとする。
大きなテント。屋外での行事の際に
利用されるそれは、埃をかぶって
汚れていた。
今日、体育祭の委員が行う放課後の仕事は、
このテントを拭いておく、とういうもの。
体育準備室には二人。青野啓と田中悠だ。
相田宗助は今日もBGMの為に
放送室にいる。
二人は談笑しながら水の入ったバケツと
雑巾で、テントを拭いていく。
話題はとりとめもないことばかり。
授業や教師について、好きな音楽について。
だが、二人で話していると時間が
あっという間に過ぎていく。
悠の性格は控え目でおっとりしている。
そのせいもあってか、友人は多くはない。
悠には青野がずっと昔からの友人のように
思えていた。
「青野君は、もうこの学校にもずいぶん
慣れてきたんじゃない?」
悠が何気なく聞き、青野が答える。
「うーん、さすがにまだ1週間ほどだから。
でも転校は慣れてるし……。
あとはきっと……君のおかげだよ。」
青野の言葉に悠は自分の頬が
熱くなるのを感じた。
だが、どう答えていいか解らず、
ただ小さな笑みを作ることが精一杯。
そこで、小さな疑問が起こる。
バケツの上で雑巾をしぼりながら
何気なく質問する悠。
「転校に慣れてるって…
青野くんの家は転勤とかが多いの?」
……青野の笑顔が曇る。
それは、ほんの一瞬。
悠にその事を気づかれることもなく、
違和感を与えることもない。
すぐにいつもの笑顔に戻る。
丸くて白いもち肌が醸し出す、
優しそうな雰囲気と、
黒縁メガネの知的な印象。
いつもの青野だ。そして言う。
「家族は……そう、転勤族なんだよ。
だから僕は‥‥、
君と仲良くなりたいんだ。田中君。」
悠は自分の心臓がドクンと強く動いたのを
感じながら、青野のストレートな言葉に
戸惑いながら丸い頬を赤く染め、
照れ笑いを浮かべる。
「な、なんか‥‥は、恥ずかしいよ。」
笑いながら言う悠。だが。
青野の白くて太い腕が悠に伸び、
悠の丸い手を握ったのだ。
「‥‥えっ。」
青野の突然すぎる行動に困惑する悠。
青野は、悠の手を優しく握りながら
じっと悠を見つめている。
誰も人が来ることはないであろう
体育倉庫で二人。
「……」
手を重ねながら少しの沈黙。
お互いの手の感触と温度を感じながら、
見つめ合う二人。
最初に沈黙を破ったのは悠だった。
「だ‥‥、ダメ……いけないよ。」
悠にとって青野はとても魅力だった。
豊満で白い身体。知的で優しそうな顔。
だが…、自分には宗助という、
心に決めた相手がいるのだ。
「青野君……だめだよ。僕達は男同士だし…。」
その言葉に、青野は
握っていた悠の手をそっと放す。
【わかってくれた……?】
悠がそう思った直後。
青野は太い両腕を広げて、
その豊満な身体で悠を抱きしめたのだ。
「あっ…」
突然のことに息を洩らす悠。
青野は悠の丸い身体を強く抱きながら
悠の耳元でささやく。
「でも…僕には君が必要なんだ。」
抱きしめられながら、戸惑う悠。
お互いの鼓動が高鳴っているのを
抱きしめあい、感じていた。
「あぁぁ……こんな‥‥だ…だめだよぉ……こんな事をぉ」
それでも抵抗している悠。
だが、悠にとって青野は、
かなり理想的な身体をしている。
肉つきの良い頬は白くてキレイだ。
その頬から玉のような汗が
キラリと垂れて、丸い顎から、
太くて短い首に落ちていった。
「……」
青野が悠を抱きながら再び沈黙する二人。
抱き合っていると、悠の鼻を青野の汗の匂いがつく。
それすら思考が麻痺しつつある悠にとっては、
かぐわしいと感じてしまう。
「……」
お互いのムチムチとした豊満な身体の感触を
感じながら、それでも悠は必死で抵抗し、
丸い身体をよじって、青野から逃れようとする。