消えない傷54話
放課後、まだ16時ぐらいだったが
すでに薄暗くなっていた。
冷たい風が吹くなかを駿が自転車に乗っている。
求人誌で見つけたコンビニで面接を受ける為だ。
場所は家から少し離れているが、働いたことなど無い
駿にとって、コンビニはなんとなく仕事内容も想像が
できて安心感があった。
コンビニに着くとレジに立っている大学生ぐらいの男に
緊張しながら、声をかける。
「すいません、面接に来たんですけど…」
すると男は、少し意外な顔をしたが、
「あぁ…ちょっと待って下さいね。」
というとレジの横にある別室のような場所へ向かった。
それから1~2分ほど待っていると、先程の男が、
「こっちで待っててもらえますか?今、オーナーが来ますから」
そういうと、駿をレジの中を通って、横にある部屋へと
案内した。中は机が一つと、その周辺に印刷物が乱雑に
貼ってあったり、置かれていたりして思いのほか狭く、
窮屈な印象だった。小さなモニターも高い場所にある。
防犯カメラか…と駿は思いながら、そこに映る店内の
様子を見ていた。すると男が、
「あ、この椅子に座って待ってて。」
と言って黒の丸い椅子をすすめてくれた。
駿は礼を言ってそこに座る。とても硬い椅子だったが
緊張の為か、駿は全く気にならなかった。
そのまま座ってモニターを見ていると、中年男性が
店内に入ってきて、レジの男と話してから、
この部屋へと向かってくる。
そして部屋に入って駿を見るなり、
「あれ?君、年はいくつ?15歳以下は雇えないよ?」
と言った。駿は16歳です。と答えて履歴書を渡す。
幼く見られることには慣れていた。
中年男は駿の年齢に意外そうな顔をしてから履歴書を
マジマジと見つめる。そして、
「そっかぁ。ゴメン、ゴメン。じゃあ面接しよっか。」
それから15分ほど面接が行われた。
勤務条件や賃金、仕事について。駿にとっては全てが
初めての経験なので一つ一つ、緊張しながら聞いた。
面接が終わると中年男こと、コンビニのオーナー店長が
「うん、採用でお願いします。頑張ってね。来週からだよ。」
と言った。駿は意外なほど、あっさりと採用されたので
拍子抜けな気もしたが、とても嬉しかった。
身体を凍らせていた緊張が一気に溶ける。
そしてコンビニを出る時に、まだレジに立っていた
大学生ぐらいの男に会釈をしてから店を出た。
なんと挨拶をするものなのか、解らないからだ。
大学生の男も笑顔で会釈をしてくれた。
そして駿はまた自転車に乗って帰っていく。
駿が出て行ったコンビ二では店長と大学生の男がレジで
話をしている。
「さっきの子、雇うんですか?」
「ああ、素直な良い子な気がしたからね。あ、来週から。教育、宜しく。」
「はい。任せて下さい。…あっ、そろそろ自分、あがりなんで…」
そう言って大学生はレジの横の部屋へと向かった。
しばらくして上着だけ私服に着替えた大学生の男が
出てきてレジの前をとおり、店長に挨拶をする。
店長も笑顔で挨拶を返す。男はコンビニから出て
ポケットから携帯を取り出す。画面はメール作成画面。
その本文に入力をしながら、国道沿いを歩いている。
作成中のメールの内容は、
「超可愛いデブショタがバイト先に面接きたんですけど、…」
冷たい風が強く吹き、枯葉が舞っていた。
その頃、駿はまだ自転車に乗って帰宅途中だった。
来週からアルバイトをする事への不安と、面接などの
緊張で疲労を感じていたが、大好きな創太の事を想って
頑張ろうと自分に言い聞かせた。
↓ 押して、頂けると幸せです。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。
すでに薄暗くなっていた。
冷たい風が吹くなかを駿が自転車に乗っている。
求人誌で見つけたコンビニで面接を受ける為だ。
場所は家から少し離れているが、働いたことなど無い
駿にとって、コンビニはなんとなく仕事内容も想像が
できて安心感があった。
コンビニに着くとレジに立っている大学生ぐらいの男に
緊張しながら、声をかける。
「すいません、面接に来たんですけど…」
すると男は、少し意外な顔をしたが、
「あぁ…ちょっと待って下さいね。」
というとレジの横にある別室のような場所へ向かった。
それから1~2分ほど待っていると、先程の男が、
「こっちで待っててもらえますか?今、オーナーが来ますから」
そういうと、駿をレジの中を通って、横にある部屋へと
案内した。中は机が一つと、その周辺に印刷物が乱雑に
貼ってあったり、置かれていたりして思いのほか狭く、
窮屈な印象だった。小さなモニターも高い場所にある。
防犯カメラか…と駿は思いながら、そこに映る店内の
様子を見ていた。すると男が、
「あ、この椅子に座って待ってて。」
と言って黒の丸い椅子をすすめてくれた。
駿は礼を言ってそこに座る。とても硬い椅子だったが
緊張の為か、駿は全く気にならなかった。
そのまま座ってモニターを見ていると、中年男性が
店内に入ってきて、レジの男と話してから、
この部屋へと向かってくる。
そして部屋に入って駿を見るなり、
「あれ?君、年はいくつ?15歳以下は雇えないよ?」
と言った。駿は16歳です。と答えて履歴書を渡す。
幼く見られることには慣れていた。
中年男は駿の年齢に意外そうな顔をしてから履歴書を
マジマジと見つめる。そして、
「そっかぁ。ゴメン、ゴメン。じゃあ面接しよっか。」
それから15分ほど面接が行われた。
勤務条件や賃金、仕事について。駿にとっては全てが
初めての経験なので一つ一つ、緊張しながら聞いた。
面接が終わると中年男こと、コンビニのオーナー店長が
「うん、採用でお願いします。頑張ってね。来週からだよ。」
と言った。駿は意外なほど、あっさりと採用されたので
拍子抜けな気もしたが、とても嬉しかった。
身体を凍らせていた緊張が一気に溶ける。
そしてコンビニを出る時に、まだレジに立っていた
大学生ぐらいの男に会釈をしてから店を出た。
なんと挨拶をするものなのか、解らないからだ。
大学生の男も笑顔で会釈をしてくれた。
そして駿はまた自転車に乗って帰っていく。
駿が出て行ったコンビ二では店長と大学生の男がレジで
話をしている。
「さっきの子、雇うんですか?」
「ああ、素直な良い子な気がしたからね。あ、来週から。教育、宜しく。」
「はい。任せて下さい。…あっ、そろそろ自分、あがりなんで…」
そう言って大学生はレジの横の部屋へと向かった。
しばらくして上着だけ私服に着替えた大学生の男が
出てきてレジの前をとおり、店長に挨拶をする。
店長も笑顔で挨拶を返す。男はコンビニから出て
ポケットから携帯を取り出す。画面はメール作成画面。
その本文に入力をしながら、国道沿いを歩いている。
作成中のメールの内容は、
「超可愛いデブショタがバイト先に面接きたんですけど、…」
冷たい風が強く吹き、枯葉が舞っていた。
その頃、駿はまだ自転車に乗って帰宅途中だった。
来週からアルバイトをする事への不安と、面接などの
緊張で疲労を感じていたが、大好きな創太の事を想って
頑張ろうと自分に言い聞かせた。
↓ 押して、頂けると幸せです。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。