消えない傷 46話
学校の昼休み。
教室では酒井と鈴木駿が話しをしていた。
机に丸い顔の横半分を貼り付ける様な格好で
椅子に座りながら駿が少し気恥ずかしそうに言う。
「ねぇ、酒井ってさぁ…好きな人とかいる?」
「えっ…い、いないと思うけど。」
酒井は突然の質問に驚きながらも柔道部の先輩とは言えず
ごまかした。そして聞き返す。
「えっ、じゃあ駿はいるの?好きな人。」
「えぇ~…うーん、いない、かなぁ。」
駿はニコニコしながら答える。
その顔を見て酒井は驚きを隠せない。
そういう浮いた話から地球で最も遠いところにいると
勝手に思っていた駿が…。
いや別に駿は不細工ではない。むしろ可愛い。
どちらかといえば可愛い過ぎる。
酒井の中では良き親友だが、少々幼いところが
あると思っていたのに…。
「で、誰だ?」
「うーん、いないよぉ~。」
「なんだよ、それ。まぁいいよ。話せるようになったらすぐ教えろよ。」
「…うん。」
二人はお互いの実情を知らないが、それでもお互いを
本当の友達として大切に思っていた。
放課後。
生徒達が帰っていく中、酒井は駿に見送られて
今日も柔道部の部室へ向かう。
だが部室へ着くと村田が待ち構えており、
「今日は柔道の練習は無しだ。ちょっと街に行くぞ。」
酒井は驚いたが村田に逆らうこともできず、
村田の後をついていった。
地下鉄に乗って、降りた駅は中島公園。
市内中心部にある大きな公園だが周囲は様々な
タイプのホテルがある事でも知られる。
「ここだよ、ここ。」
そう言って村田が酒井を連れてきたのは
大きくて立派なシティホテルだった。
なぜ突然、こんなところに村田は自分と来たのだろう。
酒井には訳がわからなかったが、質問しても、
はぐらかされるばかりだった。フロントで村田が
「予約した佐藤だけど。」
と言うと、フロントの女性が少しパソコンを
操作した後に笑顔でカードキーを渡した。
「1412号室です」
それを持って大きなエレベーターに二人は乗り込む。
高速で上がるエレベーターは、あっという間に
14階まで二人を運んだ。ドアが開くと二人は部屋へ。
カードをドアノブの上部に差し込むと、
鍵が開くような機械的な音がする。そして部屋に入る。
酒井はその部屋の広さに驚いた。
今まで酒井が見たホテルの部屋とは全く違う広さ。
ベッドも大きなサイズで、調度品も豪華だ。
「よし、すぐに準備をしろ。客が来るぞ。」
と、村田が言う。酒井は客という言葉に驚く。
誰か来るのか?不安そうな顔をしていると
村田が溜息をついた後に言う。
「じゃあ、そろそろ教えてやる。今日は3人の客がお前を目当てに来る。お前はそいつらに奉仕しろ。」
村田の言葉を酒井は理解できず、
3度、頭の中で反芻した時に驚きを超えて、
すぐに泣きそうになった。
普通の人なら冗談かもしれないと思うが、
村田が突然、こんなところに連れてきて、
冗談だった、ということは無い。つまり本気だ。
知らない男、しかも3人も…。とんでもない。
すぐに酒井は部屋から出ようとした。
だが村田が酒井の腕を掴む。
「は、離して下さい!!」
酒井が村田の腕を振り払おうとする。だが…
直後に酒井は左の頬と耳に強い衝撃を受ける。
その衝撃で酒井の顔が向いている方向が変わる。
顔の左側に痛みを感じ、殴られたと気がつく。
「…お前、誰に逆らってんだ?」
村田が無表情で酒井を見つめている。
決して、睨んだり、凄んだりしている訳ではない。
ただ、とても冷たい表情。
酒井は村田が恐くて仕方がなかった。
もちろん酒井も柔道部で身体を鍛え、
立派な体躯をしているし、臆病なわけでもない。
しかし村田は腕力も強いがそれ以上に…
一言で言うなら、危険さのようなものがある。
とんでもない事を平気でする異常性。
酒井は一緒にいながら日々、それを肌で感じている。
「…わ、わかりました、…やります。」
30分後、部屋のチャイムが鳴る。
↓ ポチっとして押して、開いてくる窓を閉じる。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。
教室では酒井と鈴木駿が話しをしていた。
机に丸い顔の横半分を貼り付ける様な格好で
椅子に座りながら駿が少し気恥ずかしそうに言う。
「ねぇ、酒井ってさぁ…好きな人とかいる?」
「えっ…い、いないと思うけど。」
酒井は突然の質問に驚きながらも柔道部の先輩とは言えず
ごまかした。そして聞き返す。
「えっ、じゃあ駿はいるの?好きな人。」
「えぇ~…うーん、いない、かなぁ。」
駿はニコニコしながら答える。
その顔を見て酒井は驚きを隠せない。
そういう浮いた話から地球で最も遠いところにいると
勝手に思っていた駿が…。
いや別に駿は不細工ではない。むしろ可愛い。
どちらかといえば可愛い過ぎる。
酒井の中では良き親友だが、少々幼いところが
あると思っていたのに…。
「で、誰だ?」
「うーん、いないよぉ~。」
「なんだよ、それ。まぁいいよ。話せるようになったらすぐ教えろよ。」
「…うん。」
二人はお互いの実情を知らないが、それでもお互いを
本当の友達として大切に思っていた。
放課後。
生徒達が帰っていく中、酒井は駿に見送られて
今日も柔道部の部室へ向かう。
だが部室へ着くと村田が待ち構えており、
「今日は柔道の練習は無しだ。ちょっと街に行くぞ。」
酒井は驚いたが村田に逆らうこともできず、
村田の後をついていった。
地下鉄に乗って、降りた駅は中島公園。
市内中心部にある大きな公園だが周囲は様々な
タイプのホテルがある事でも知られる。
「ここだよ、ここ。」
そう言って村田が酒井を連れてきたのは
大きくて立派なシティホテルだった。
なぜ突然、こんなところに村田は自分と来たのだろう。
酒井には訳がわからなかったが、質問しても、
はぐらかされるばかりだった。フロントで村田が
「予約した佐藤だけど。」
と言うと、フロントの女性が少しパソコンを
操作した後に笑顔でカードキーを渡した。
「1412号室です」
それを持って大きなエレベーターに二人は乗り込む。
高速で上がるエレベーターは、あっという間に
14階まで二人を運んだ。ドアが開くと二人は部屋へ。
カードをドアノブの上部に差し込むと、
鍵が開くような機械的な音がする。そして部屋に入る。
酒井はその部屋の広さに驚いた。
今まで酒井が見たホテルの部屋とは全く違う広さ。
ベッドも大きなサイズで、調度品も豪華だ。
「よし、すぐに準備をしろ。客が来るぞ。」
と、村田が言う。酒井は客という言葉に驚く。
誰か来るのか?不安そうな顔をしていると
村田が溜息をついた後に言う。
「じゃあ、そろそろ教えてやる。今日は3人の客がお前を目当てに来る。お前はそいつらに奉仕しろ。」
村田の言葉を酒井は理解できず、
3度、頭の中で反芻した時に驚きを超えて、
すぐに泣きそうになった。
普通の人なら冗談かもしれないと思うが、
村田が突然、こんなところに連れてきて、
冗談だった、ということは無い。つまり本気だ。
知らない男、しかも3人も…。とんでもない。
すぐに酒井は部屋から出ようとした。
だが村田が酒井の腕を掴む。
「は、離して下さい!!」
酒井が村田の腕を振り払おうとする。だが…
直後に酒井は左の頬と耳に強い衝撃を受ける。
その衝撃で酒井の顔が向いている方向が変わる。
顔の左側に痛みを感じ、殴られたと気がつく。
「…お前、誰に逆らってんだ?」
村田が無表情で酒井を見つめている。
決して、睨んだり、凄んだりしている訳ではない。
ただ、とても冷たい表情。
酒井は村田が恐くて仕方がなかった。
もちろん酒井も柔道部で身体を鍛え、
立派な体躯をしているし、臆病なわけでもない。
しかし村田は腕力も強いがそれ以上に…
一言で言うなら、危険さのようなものがある。
とんでもない事を平気でする異常性。
酒井は一緒にいながら日々、それを肌で感じている。
「…わ、わかりました、…やります。」
30分後、部屋のチャイムが鳴る。
↓ ポチっとして押して、開いてくる窓を閉じる。
どうかよろしく m(._.)m お願いします。