金豚の肉8
学校での仕事は授業ばかりではない。
今日はPTA総会の準備を
小椋先生と一緒に(と言っても僕は
ただ存在しただけだが。)行なった。
小椋先生はラグビー選手のような
ガチムチした体型でスーツが似合い、
知性を感じさせるいわゆるイケメン。
ベテラン教師で学校でも信頼が厚い。
パソコンで総会用の資料を作りながら
「白鳥先生、もう慣れましたか?」
実習に来て1週間ほどの僕の事を
気にかけてくれているようだ。
「まだまだわからない事だらけです。」
苦笑いでそう答えたが、
実際その通りで笑うしかない。
小椋先生もパソコンの画面から
視線は動かさずに少し笑う。
その時気づいたが小椋先生は
男性用の香水をされているようだ。
この田舎では嗅ぐことが無さそうな
都会的でオシャレな香りでうっとりする。
だが、ふと気づくと小椋先生が
こちらを見ている。
「そういえば、白鳥先生・・・。
小林旅館に宿泊してますよね?
もう会いましたか?うちの生徒に。」
心臓がピクリと反応した。
リン君の事だ。
どうしようか・・・一瞬、考える。
リン君との関係がバレたら
教育実習どころではなくなってしまう。
知らない、会ったこともないと言うか?
いや、不自然だ。
会って話したと言うべき?
だが、何を話したか探られたら
墓穴を掘りそうだ。
「・・・えぇ。旅館で何度か
見かけましたよ。
でも話した事はないですね。
以前、他の先生に不登校の生徒だから
実習の僕は関わらない方が良いって
アドバイス頂いてましたから。」
我ながら上手く躱した・・・つもりだ。
小椋先生はどう思っただろう。
不安な僕とは裏腹に、
またPC画面を見つめながら
「そうですか。
確かにその方がいいかもしれませんね。」
と、一言だけあって、リン君に
関する話は終わった。
ともかく僕は安堵した。
そうして一日の仕事を終え、
いつもなら夕方には退勤するが、
今日は学校開放で地域の皆さまが
体育館で剣道をされる日で、
別の教師と僕だけが居残りの予定。
21時まで居残りで残業代無しって・・・。
校舎から出る頃には真っ暗だったが、
電灯に桜が舞っていた。
とくに田舎の学校は周辺に緑が多く、
桜は必ずと言っていいほど植っている、
そんな気がする。
かつて炭鉱で栄えて、
今は寂れたシャッター街を抜けて
足速に旅館に向かう。
早く帰って風呂に入りたいし、
お腹もすいた。
リン君は何をしてるだろうか。
そういえばリン君が今度の日曜は
どこかにキレイな池があるから
見に行こうと言っていた。
楽しみだ。
もうすっかり慣れて
我が家となりつつある
小林旅館にようやく帰ったが、
玄関に見慣れない革靴がある。
なんだ、今日は珍しく自分以外の客も
泊まっているのか、そう思った。
だが階段を上がったあたりで
嗅いだ事のある香りがして気がついた。
これは昼間に嗅いだ香水。
小椋先生が来ている。
金豚の肉9を読む(NTR要素あり)
今日はPTA総会の準備を
小椋先生と一緒に(と言っても僕は
ただ存在しただけだが。)行なった。
小椋先生はラグビー選手のような
ガチムチした体型でスーツが似合い、
知性を感じさせるいわゆるイケメン。
ベテラン教師で学校でも信頼が厚い。
パソコンで総会用の資料を作りながら
「白鳥先生、もう慣れましたか?」
実習に来て1週間ほどの僕の事を
気にかけてくれているようだ。
「まだまだわからない事だらけです。」
苦笑いでそう答えたが、
実際その通りで笑うしかない。
小椋先生もパソコンの画面から
視線は動かさずに少し笑う。
その時気づいたが小椋先生は
男性用の香水をされているようだ。
この田舎では嗅ぐことが無さそうな
都会的でオシャレな香りでうっとりする。
だが、ふと気づくと小椋先生が
こちらを見ている。
「そういえば、白鳥先生・・・。
小林旅館に宿泊してますよね?
もう会いましたか?うちの生徒に。」
心臓がピクリと反応した。
リン君の事だ。
どうしようか・・・一瞬、考える。
リン君との関係がバレたら
教育実習どころではなくなってしまう。
知らない、会ったこともないと言うか?
いや、不自然だ。
会って話したと言うべき?
だが、何を話したか探られたら
墓穴を掘りそうだ。
「・・・えぇ。旅館で何度か
見かけましたよ。
でも話した事はないですね。
以前、他の先生に不登校の生徒だから
実習の僕は関わらない方が良いって
アドバイス頂いてましたから。」
我ながら上手く躱した・・・つもりだ。
小椋先生はどう思っただろう。
不安な僕とは裏腹に、
またPC画面を見つめながら
「そうですか。
確かにその方がいいかもしれませんね。」
と、一言だけあって、リン君に
関する話は終わった。
ともかく僕は安堵した。
そうして一日の仕事を終え、
いつもなら夕方には退勤するが、
今日は学校開放で地域の皆さまが
体育館で剣道をされる日で、
別の教師と僕だけが居残りの予定。
21時まで居残りで残業代無しって・・・。
校舎から出る頃には真っ暗だったが、
電灯に桜が舞っていた。
とくに田舎の学校は周辺に緑が多く、
桜は必ずと言っていいほど植っている、
そんな気がする。
かつて炭鉱で栄えて、
今は寂れたシャッター街を抜けて
足速に旅館に向かう。
早く帰って風呂に入りたいし、
お腹もすいた。
リン君は何をしてるだろうか。
そういえばリン君が今度の日曜は
どこかにキレイな池があるから
見に行こうと言っていた。
楽しみだ。
もうすっかり慣れて
我が家となりつつある
小林旅館にようやく帰ったが、
玄関に見慣れない革靴がある。
なんだ、今日は珍しく自分以外の客も
泊まっているのか、そう思った。
だが階段を上がったあたりで
嗅いだ事のある香りがして気がついた。
これは昼間に嗅いだ香水。
小椋先生が来ている。
金豚の肉9を読む(NTR要素あり)